子猫へのワクチン接種について

ワクチンとは感染症のウイルスの毒素を弱めた“抗原”をさします。
ワクチンを猫に接種すると、猫の体内で“抗原”に対抗するための「抗体」がつくられます。
新たにつくられた「抗体」が“抗原”を退治できるので“抗原”が死滅し、この「抗体」だけが
体内に残り様々な感染症を予防することができます。
しかし、ワクチン接種には副作用が起こる場合があります。
副作用が原因で、アレルギーや自己免疫疾患などの病気になるケースもあります。

混合ワクチン

感染力の強い重大で死亡率も高い感染症を一度に複数予防できるワクチンで、
対応している感染症の数によって3種混合〜7種混合まであります。
何種類のワクチンにするかは、地域ごとの感染症の発生状況や、
猫のライフスタイルなどを考慮する必要があるため、
獣医師などの専門知識を持ってるいる人とよく相談をしましょう。

混合ワクチンの種類

猫の混合ワクチンには、現在、下記の6種類のがあります。
1. 猫ウイルス性鼻気管炎(非常に怖い、ワクチン接種は必須)
2. 猫カリシウイルス感染症(非常に怖い、ワクチン接種は必須)
3. 猫汎白血球減少症(非常に怖い、ワクチン接種は必須)
↑ここまでが3種混合ワクチン

4. 猫白血病ウイルス感染症
↑ここまでが4種混合ワクチン

5. 猫クラミジア感染症
↑ここまでが5種混合ワクチン

6. 猫免疫不全ウイルス感染症

混合ワクチンの内「3種混合ワクチン」は特にコアワクチン(核となるワクチン)と呼ばれ、
ぜひとも接種することが望まれる重要なワクチンです。

※7種混合ワクチンとは?
 猫カリシウイルスには多くのタイプがあるのですが、3種混合・4種混合ワクチンでは
 1つのタイプのカリシウイルスの予防しかできませんでしたが、
 7種混合ワクチンでは3タイプのカリシウイルスを予防することができます。

子猫へのワクチンの接種時期と回数

子猫の場合も、人間の赤ちゃんと同じように生後授乳によって病気に対する抗体を
母親から受け継ぎます、これを移行抗体といいます。
しかし、この移行抗体は子猫の場合、生後42日〜150日で消滅してしまい、
それ以後は自分で抗体を作らなければいけません。
親から受け継いだ移行抗体が消滅しかけたこの時期にワクチンを接種します。

つまり、最も早く抗体が消滅するケースを考慮して第1回目のワクチン接種をします。
それが、生後60日前後になります。
ワクチンの種類は、子猫の状態や猫種、また、ブリーダーのワクチンに対する
考え方の違いによって判断されることになりますが、
3種混合、5種混合などが一般的だと思います。

第1回目の時点では移行抗体が残っていて、子猫自身が抗体をつくっていない可能性が
あるため、その1ヵ月後(生後90日前後)に第2回目のワクチンを接種します。

さらに、この時期でも移行抗体が残っている場合があるので、
念のために2回目から1ヵ月後(生後120日前後)に
第3回ワクチン接種するのが一般的となっています。

過剰接種による副作用を避けるために
3回目のワクチン接種はしないという考え方もあります。

接種が義務づけられている狂猫病ワクチン接種は、
混合ワクチンの接種が終わってから、生後4〜5ヶ月で接種します。
※2年目以降は1年に1回の接種が必ず必要です。

ブリーダーから子猫を迎えるのは、早くても1回目のワクチン接種後ということになります。

ブリーダーからペットを迎える際には、ワクチン接種の経緯や、
飼い始めてからの最適な接種のタイミングについて詳しく説明を受けましょう。
また、獣医師発行のワクチン接種証明書をブリーダーから受け取りましょう。

※ワクチン接種後は、最低でも2、3日は安静にさせる必要がありますので、
 この点についても念のためブリーダーに確認するようにしてください。

ワクチンの値段

ワクチン接種料金には法的な規定はないので、地域や動物病院によって値段は多少異なってきますが、
相場としては混合ワクチンで約8,000円前後になります。
この金額とはかけ離れた高額な料金になっている場合は注意した方が良いでしょう。